準備運動?柔軟体操?整理運動?
とにかく運動前に柔軟体操と準備運動をしっかりやりなさい!
カラダが硬いままだと怪我するぞ!
私も学生時代にそのような指導を受けました
ある意味正解だったのかもしれませんが
現代ではもう少し科学的に
そして何が正解であり何が不正解なのかがわかってきました
整理してみましょう
- ウォーミングアップ(準備運動)
「運動によるケガの防止や、主運動を行うための身体の準備、その運動に対する能力を最大に発揮できる状態をつくること」を目的に行い、運動前の準備運動のことです
warm(身体を温め)up(心拍数を上げ、血流を増やす)のが重要です
- クールダウン(整理運動)
運動終了後、筋肉の疲労回復、硬くなった筋肉をゆるめ柔軟性を回復、運動で傷ついた筋組織への修復のための血流改善(傷害予防)などが目的です
運動によって興奮している神経・筋肉を鎮静させる働きがあります
- ストレッチ(柔軟体操)
このストレッチの解釈の仕方がずいぶんと変わってきました
現在では目的に合わせて「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」に大きく2つに大別されます
静的ストレッチと動的ストレッチを正しく理解する
ストレッチには大きくわけて2つのストレッチがあります
- 【静的ストレッチ】
<スタティックストレッチ:同じ姿勢をキープして筋肉をじっくり伸ばす方法>
- 【動的ストレッチ】
<バリスティックストレッチ:反動をつけて行う方法>
<ダイナミックストレッチ:体を動かしながら筋肉を伸ばしていく方法>
この2つストレッチを目的に合わせて
運動前や運動後に組み合わせて行います
では意義を確かめていきましょう
静的ストレッチの意義は
キープしながら筋肉をじっくりと伸ばすことで
- 緊張した筋肉により圧迫された血流改善と筋萎縮の抑制
- 血流の改善による老廃物の排除と損傷組織の回復促進(障害予防)
- 関節可動域の改善と歪みの矯正
などの効果が期待できます
簡単に言うなら筋肉痛・関節痛の防止と柔軟性の確保です
偏った連続動作により生じる身体の歪みを修正する事も可能です
また、安静下で行うことから
呼吸と組み合わせることでリラックス効果も期待でき
クールダウンに取り入れることが適している理由と言えます
ただ関節によっては短い時間の静的ストレッチが有効の場合があります
動的ストレッチの意義は
身体を動かしながら温めることで
- 筋肉が最大限に伸張と収縮を繰り返せるようすること
- 関節の可動域を最大限有効域にまで広げられるようにすること
これは最強のパフォーマンスをするために
筋力を最大限に発揮できるよう
そして怪我をしない柔軟な筋組織と関節に仕上げ
体の状態を100%の状態に引き上げることにあります
つまり運動前のウォーミングアップに適していることになります
パンツのゴム?
一昔前まで運動前に静的ストレッチを行うことが多かったと思われます
しかし運動前の
筋肉を伸張(筋肉の過度の弛緩)させる静的ストレッチは
力の伝達ロスや関節の不安定さを生じさせ
むしろパフォーマンスをダウンさせてしまう可能性があるのです
ゴム紐(パンツのゴム?)をイメージしてください
ぐーっと最大限まで引っ張ったゴム紐は
その後戻したときにだらーんと伸び切った状態になり
しばらくすると元の状態に戻ります
この伸びきった状態(筋肉の弛緩)で運動しても
最大のパフォーマンスは生み出せません
強力なパフォーマンスは最大の筋緊張を瞬時に引き出す力と
緩やかな弛緩から生み出されます
つまり運動前に
静的ストレッチによる過度な筋肉弛緩は
筋肉の最大緊張の準備をさせるどころか
休息状態にしてしまう恐れがあるので
向いていないのです
ストレッチを正しく理解して目的に合わせて行う必要があります
ウェルネスプラス流ストレッチ
まとめますと
運動前は
ケガの防止とパフォーマンス向上が目的です
ウォーミングアップ(準備運動)には
主に動的ストレッチを行い静的ストレッチは部位によって取り入れる場合があります
運動後は
障害予防と歪み矯正、疲労回復が目的です
クールダウン(整理運動)には
主に静的ストレッチを行い障害予防に動的ストレッチを取り入れる場合があります
子供たちの柔軟性は年令によってずいぶん違います
就学前のお子さんなら
筋力や骨格が未発達のため関節も広く
無理に広げることも必要なければ
動的ストレッチだけで疲れてしまいますね
小学生に比べてさほど順番を気にしなくても楽しく取り入れることが重要です
小学生になる頃には
筋肉も発達し関節を支える力も強くなります
そうすると柔軟性が減り始めます
こうなると
動的ストレッチのバリスティックストレッチで
可動域を増やしてあげなければなりません
さらに瞬発力を要するクラスになると
動的ストレッチのダイナミックストレッチによる
筋肉の活性化を図る必要があります
軽い筋トレも良いでしょう
最大限まで行うのではなく80%くらいまで関節と筋肉に刺激を加え
疲れすぎないことが重要です
そして大事なのはカラダをコントロールする脳を活性化させること
ウェルネスプラスではウォーミングアップにコーディネーションを組み込み
脳を活性化を同時に行います(これは「7つの能力」を参照に)
いつも思うのですが
これらの最新情報を考慮しても
「ラジオ体操」って洗練されていてすごいな〜と
でも面白さはちょっと・・・(^^)